2026年10月27日

ロジウム買取ガイド|ロジウムスクラップ・Pt-Rhの査定と相場、めっき品の注意点

ロジウムスクラップの買取相場と熱電対

ロジウムは産出量が少なく、相場の高い貴金属です。工場や研究施設で使われていたPt-Rh熱電対や、ロジウムを含む端材・粉末・スラッジなどは、廃棄せずに売却できる可能性があります。

ただし、ロジウムを含む品物であれば何でも同じ条件で買い取られるわけではありません。品目、ロジウムの含有量、品物の状態、不純物の有無などによって、取扱いの可否も査定額も変わります。特に「ロジウムめっき製品」は、奈良屋貴金属では取扱対象外である点に注意が必要です。

この記事では、工業用ロジウムスクラップの売却可能性、ロジウムめっき品とPt-Rh熱電対の扱い、相場と査定額の関係、問い合わせ前に準備しておきたいことを、製造業のご担当者向けに整理して解説します。

ロジウムスクラップは買取してもらえる?

ロジウム(Rh)は、白金(プラチナ)やパラジウムと同じ白金族金属の一つです。硬く、腐食や高温に強く、光の反射率も高いことから、工業分野では少量ずつさまざまな用途に使われています。そのため、製造現場からロジウムを含むスクラップが発生することがあります。

奈良屋貴金属の工業用貴金属スクラップ買取のページでも、金・白金・銀・パラジウムとあわせてロジウムが買取対象の貴金属として挙げられています。

◆工業用ロジウムスクラップの主な例

ロジウムは単体で使われるより、白金などとの合金や、他の貴金属と混在した状態で見つかることが多い金属です。工業用途で発生しうるものとしては、次のような例が考えられます。

  • Pt-Rh熱電対(白金ロジウム熱電対)の素線や使用済み品
  • 白金ロジウム合金の端材・切断片・部品
  • ロジウムを含む貴金属粉末やペースト
  • 貴金属を扱う工程から出た切粉やスラッジ(泥状の沈殿物)

上記はあくまで一般的な例であり、品目名だけで買取可否が決まるわけではありません。なお、奈良屋貴金属では自動車・内燃機関の排気触媒は取扱対象外と案内されています。ロジウムは排気ガス浄化触媒の主要な用途の一つですが、こちらはご相談の対象にならない点にご注意ください。

◆買取可否は材質・状態・数量などで変わる

ロジウムを含む品物でも、取扱いの可否は個別に判断されます。公式サイトには、たとえば次のような受け入れ条件が記載されています。

  • 含有率の低い品物は引き受けできない
  • 液体の品物は引き受けできない
  • 国や都道府県などが定め規制する成分(ヒ素、水銀、カドミウムなど)を含む品物は受け入れできない
  • 毒物・劇物を含む化成品などは別途相談

また、熱電対や貴金属含有ペーストを紹介している白金特集の注意事項には、「商材の特性上1kg以上で引き受け」との記載もあります。どの品目にこの条件が適用されるかは品物によって異なる可能性があるため、数量が少ない場合は事前にお問い合わせください。

◆見た目だけで判断せず事前に相談を

ロジウムを含む合金は、見た目では白金やステンレス、他の銀白色の金属と区別がつかないことがほとんどです。刻印や仕様書に組成が書かれていても、使用中の劣化、付着物、他の素材との混在などにより、実際に回収できる貴金属量は分析してみないと確定しない場合があります。

「ロジウムが入っているはず」「入っていないかもしれない」と自己判断せず、品物の情報を整理したうえで相談するのが確実です。準備しておきたい情報は査定・売却を依頼する前に準備することでまとめています。

ロジウムめっき製品・めっき由来スクラップの取扱い

◆ロジウムめっきとは

ロジウムめっきは、金属の表面にごく薄いロジウムの膜を付ける表面処理です。硬さ、耐摩耗性、耐食性、光沢を高める目的で、電気接点や反射部品、装飾品の仕上げなどに用いられます。

めっき膜は非常に薄いため、品物全体の重さに対してロジウムが占める割合はごくわずかです。見た目がロジウム色でも、中身の大部分は銅合金などの下地金属である、という点を押さえておきましょう。

◆めっき製品と、めっき工程から出るスクラップの違い

「ロジウムめっき関連」とひとくくりにされがちですが、次の2つは性質がまったく異なります。

  • ロジウムめっき製品:表面にロジウムめっきを施した部品・製品そのもの(めっき済みの接点部品、装飾品など)
  • めっき工程から発生するスクラップ:めっき作業や前後の工程で発生する残材・廃材(作業槽やドレンに溜まった沈殿物、使用済みの資材など)

前者は貴金属の量が表面のごく一部に限られます。後者は工程や素材によって中身が大きく異なり、貴金属をまとまって含む場合もあれば、ほとんど含まない場合もあります。

◆奈良屋貴金属ではメッキ製品は取扱対象外

奈良屋貴金属の工業用貴金属のページには、「メッキ製品の取扱いはございません」と明記されています(2026年10月27日確認)。ロジウムめっきが施された部品や製品は、買取対象外となりますのでご注意ください。

一方、めっき工程から発生したスクラップについても、「めっき由来なら買い取ってもらえる」と考えるのは早計です。たとえばめっき液などの液体は、公式サイトで引き受け不可とされています。固形の残材や沈殿物であっても、素材・状態・貴金属の含有率・規制物質の有無などによって判断が分かれるため、送付前に必ずお問い合わせください。

金めっきについての注意点は、関連記事の金スクラップ買取ガイド|K24端材・金ペースト・金ワイヤの評価と金めっきの注意点でも解説しています。

◆判断に迷うときの問い合わせ方

手元の品が「めっき製品」なのか「めっき工程由来のスクラップ」なのか判断しにくい場合は、次の情報をそろえて相談するとスムーズです。

  • 品名と、もともとの用途
  • どの工程で発生したものか(めっき前処理、めっき槽、後処理など)
  • 形状(固形、粉体、泥状など)とおおよその数量・重量
  • 全体と状態がわかる写真
  • 使用した薬品や、含まれている可能性のある物質の情報

問い合わせ先や申し込み方法は奈良屋貴金属に相談する流れをご覧ください。

Pt-Rh熱電対とは?買取査定で確認されるポイント

◆Pt-Rh熱電対の概要と主な種類

熱電対とは、2種類の異なる金属線の先端をつなぎ、温度差によって生じる電圧から温度を測るセンサーです。白金と白金ロジウム合金を組み合わせたPt-Rh熱電対は、高温でも安定して測定できるため、ガラス・セラミックスの焼成炉、鉄鋼・非鉄金属の溶解炉、半導体製造装置など、1,000℃を超えるような高温環境で使われています。

代表的な種類は次のとおりです(JIS規格で定められた一般的な組成)。

  • R熱電対:白金13%ロジウム合金と白金の組み合わせ
  • S熱電対:白金10%ロジウム合金と白金の組み合わせ
  • B熱電対:白金30%ロジウム合金と白金6%ロジウム合金の組み合わせ

このように、種類によってロジウムと白金の比率が異なります。奈良屋貴金属は、熱電対を「高融溶貴金属合金」として精錬から分析・買取までを得意分野に挙げていますが、詳細な条件は問い合わせるよう案内されています。熱電対全般の売却については不要な熱電対は高く売れる?廃棄がもったいない理由もあわせてご覧ください。

◆査定で確認されるポイント

Pt-Rh熱電対は、すべてが同じ条件・同じ評価で買い取られるわけではありません。評価に関係しうる要素としては、次のようなものがあります。

  • 合金組成:R・S・Bなどの種類により、白金とロジウムの比率が異なる
  • 形状・構成:素線のみか、保護管・絶縁管・端子箱などが付いたままか
  • 使用状況:長期間の高温使用による劣化や汚染、断線の状態
  • 付着物・混在物:セラミックス片、他の金属、炉内の付着物など
  • 数量・重量:貴金属部分の正味量

なお、熱電対と計器をつなぐ補償導線は、一般に銅合金などで作られており、白金やロジウムを含まないのが通常です。貴金属を含む素線部分と、それ以外の部品が混ざっていると、正味の貴金属量が分かりにくくなります。分別の要否も含めて、事前に相談しておくと安心です。

◆組成は自己判断せず、資料をそろえて相談

熱電対の種類は外観だけでは見分けにくく、複数の種類が混在しているケースもあります。組成を推測で申告するのではなく、次のような資料があれば相談時に用意しておきましょう。

  • 熱電対の仕様書、型番がわかる資料
  • 購入時の納品書・カタログ
  • 使用していた設備・炉の情報

資料がない場合でも、写真や数量を伝えて相談することは可能です。最終的な評価は、分析によって確認された含有量にもとづいて決まります。

ロジウムスクラップの相場・査定額の決まり方

◆ロジウム相場は大きく変動する

ロジウムは産出量がきわめて少なく、主に白金やニッケルの採掘にともなって副産物として生産されます。供給地域も限られているため、需給の変化や産出国の事情によって価格が大きく動きやすく、過去には短期間で大幅に上下した例もあります。

そのため、ニュースや過去の記事で見た価格が、いま手元のスクラップにそのまま当てはまるとは限りません。最新の相場は、売却を検討する時点で確認することが大切です。

なお、奈良屋貴金属の公式サイトトップページでは、金・プラチナ・パラジウム・銀の当日価格が掲載されていますが、ロジウム単独の当日買取価格は掲載されていません(2026年10月27日確認)。ロジウムを含むスクラップは、個別の分析・査定によって評価されます。

◆「地金相場」と「スクラップ査定額」は別物

よく混同されるのが、ロジウムの地金相場とスクラップの買取査定額です。

  • 地金相場:純度の高いロジウムそのものの市場価格(1グラムあたりなど)
  • スクラップの査定額:品物から実際に回収できるロジウムの量を、相場で評価した金額

たとえば熱電対の素線であっても、ロジウムは合金の一部にすぎません。重量全体に地金相場を掛けた金額にはならず、分析で確認された含有量が評価の出発点になります。

◆査定額を左右する主な要素

スクラップの査定額は、主に次のような要素によって変わります。

  • 含有量:品物に含まれるロジウム・白金などの割合
  • 回収可能量:精錬して実際に取り出せる貴金属の量(歩留まり)
  • 不純物:油分、水分、セラミックス、他の金属などの混入状況
  • 前処理・精錬の手間:洗浄や不純物除去にどの程度の工程が必要か
  • 評価日の相場:奈良屋貴金属では、分析報告書の報告日付の相場で回収貴金属を評価すると案内されています

奈良屋貴金属は、前処理・精錬・精密分析・査定までを自社で行い、成分別に評価する体制をとっています。精錬時のロスを抑え、高い歩留まりを目指していることも公式サイトで紹介されています。

◆分析手数料と評価対象の金属

公式サイトでは、合計評価金額と分析手数料について次のように説明されています(2026年10月27日確認)。

  • 評価対象は金(Au)・パラジウム(Pd)・ロジウム(Rh)・銀(Ag)・白金(Pt)で、それ以外の成分は評価されない
  • 分析手数料は合計評価金額の15%が上限で、合計評価金額から差し引いた額が支払われる
  • 分析手数料が15%を超える品物は取引できない

つまり、ロジウムを含んでいても含有量が極端に少ない品物は、取引の対象にならない可能性があります。最新の条件は必ず公式サイトでご確認ください。

査定・売却を依頼する前に準備すること

事前に品物の情報を整理しておくと、取扱いの可否を確認しやすくなり、やり取りもスムーズになります。

◆品物の情報を整理する

  • 品物の名称と、もともとの用途
  • 発生した工程(熱電対の交換、加工時の端材、めっき工程の残材など)
  • 数量またはおおよその重量
  • 形状(線材、板材、粉体、泥状など)

◆写真と資料をそろえる

  • 品物全体の写真と、状態がわかる近接写真
  • 材質・組成がわかる資料(仕様書、カタログ、型番、分析表など)
  • 購入時の納品書など、品物の素性がわかる書類

前述のとおり、資料に書かれた組成と実際の回収量が一致するとは限りません。資料はあくまで判断材料として用意し、最終的な評価は分析結果にもとづくものと考えておきましょう。

◆付着物・混合物・危険物の有無を確認する

  • 油分、水分、薬品などの付着がないか
  • 貴金属以外の部品や素材が混ざっていないか
  • 規制物質(ヒ素、水銀、カドミウム、セレン、フッ素など)を含む可能性がないか
  • 毒物・劇物、液体に該当しないか

規制物質を含む品物や液体は、公式サイトで受け入れ不可とされています。判断できない場合は、送付前に必ず相談してください。

◆事前に確認しておきたい取引条件

  • 手元の品物が取扱対象かどうか
  • 最低引き受け量(品目によっては1kg以上の記載あり)
  • 送料・返送料の扱い(宅配便は着払い・最大80サイズ1個口までと案内されています。量が多い場合は事前に電話で相談)
  • 分析手数料と、取引できない条件
  • 見積もり・支払いまでのおおよその日数

製造業の貴金属スクラップ全般の種類や発生工程については、工場・製造業の貴金属スクラップとは?種類・発生工程・売却先でも整理しています。

奈良屋貴金属に相談する流れ

ここでは、公式サイトに掲載されている申し込み方法と買取の流れを紹介します(2026年10月27日確認)。内容は変更される場合があるため、お申し込み前に最新情報をご確認ください。

◆申し込み方法

申し込みは、オンライン申し込みフォームから行う方法と、買取申込用紙をダウンロードして記入する方法の2通りです。いずれの場合も、身分証明書のコピーが必要です。

梱包材が手元にない場合は、梱包材・着払い伝票・申込用紙がセットになった「無料宅配買取セット」をお問い合わせフォームから申し込めます。ロジウム含有品やめっき工程由来の品など、取扱可否が気になる品物は、発送前に電話(フリーダイヤル 0120-708-868/受付10:00〜17:00、土・日・祝休み)やメールで相談するのがおすすめです。

◆お預かりから支払いまでの流れ

  1. お預かり:店頭または宅配便で受け付け(来店前は要連絡、量が多い場合は先に電話で相談)
  2. 検品・計量:電子機器で計量
  3. 成分別精密分析:前処理から精密分析・査定まで自社で実施
  4. 見積もりの連絡:分析報告書の報告日付の相場で評価し、分析査定報告書として提出(メール・電話・FAX)
  5. 成立:内容に了承いただいたうえで成立
  6. お振込:指定口座へ振込

重要な点として、公式サイトでは分析が破壊分析となるため、対象を元の姿で返却できないと案内されています。また、金・プラチナ・パラジウム・銀・ロジウムの5元素が含まれていない場合や、貴金属の含有量が極めて少ない場合は、返送料がお客様負担になるとされています。

支払いについては「最短当日受入・即日お支払い」とされ、買取金額の確定が17時までであれば当日送金、金曜17時以降は翌週月曜午前の送金と案内されています。ただし、依頼の混雑状況により最大3営業日かかる場合があり、商材によっては4週間程度を要することもあるとされています。

◆申し込み前に最新条件の確認を

取扱品目、手数料、送料、支払い時期などの条件は変更される可能性があります。お申し込みの前に、工業用貴金属スクラップ買取のページで最新の条件をご確認ください。

よくある質問

Q. ロジウムスクラップは少量でも買取できますか?

A. 品物によって異なります。公式サイトでは、熱電対やペーストなどを紹介する箇所に「商材の特性上1kg以上で引き受け」との記載があるほか、含有率の低い品物や、分析手数料が合計評価金額の15%を超える品物は取引できないとされています。少量の場合は、品名と重量を伝えて事前にお問い合わせください。

Q. ロジウムめっきされた部品は買取対象ですか?

A. 奈良屋貴金属では、メッキ製品は取扱対象外と案内されています(2026年10月27日確認)。めっき工程で発生した残材などについても、液体は引き受け不可とされているほか、固形物でも取扱可否は個別判断となります。詳しくはロジウムめっきの取扱いの項目をご覧ください。

Q. Pt-Rh熱電対はどのように査定されますか?

A. 自社での前処理・精錬・精密分析によって白金やロジウムなどの含有量を成分別に確認し、分析報告書の報告日付の相場で評価する流れです。熱電対の種類や保護管の有無、劣化・付着物の状態によって回収できる量が変わるため、同じ重量でも評価が異なる場合があります。

Q. ロジウムの買取価格は何で決まりますか?

A. ロジウムの相場に加え、品物の含有量、精錬で回収できる量、不純物の状態などで決まります。公式サイトにロジウム単独の当日価格は掲載されていないため、具体的な金額は分析・査定後の報告で確認することになります。

Q. ロジウム含有量が分からなくても査定を依頼できますか?

A. 含有量が分からないことを前提に、自社分析で成分別の含有量を確認する仕組みです。ただし、取扱対象かどうかの確認は必要なため、品名・用途・写真などを用意して事前に相談するのがおすすめです。精密分析の見積もりは無料と案内されています。

Q. 査定を依頼すると、品物は元の状態で返却されますか?

A. 公式サイトでは、分析法が破壊分析となるため元の姿で返却できないと案内されています。また、5元素(金・プラチナ・パラジウム・銀・ロジウム)が含まれていない場合や含有量が極めて少ない場合は、返送料がお客様負担になるとされています。依頼前に条件をご確認ください。

まとめ

ロジウムを含む工業用スクラップは、売却できる可能性があります。ただし、評価は品目、含有量、状態、不純物、分析結果などによって大きく異なり、ロジウムの地金相場だけで査定額が決まるわけではありません。

特に注意したいのは次の2点です。

  • ロジウムめっき製品は、奈良屋貴金属では取扱対象外。めっき工程由来のスクラップも、素材・状態・量を伝えて事前確認が必要
  • Pt-Rh熱電対は、組成・形状・使用状況などで評価が変わるため、仕様書などの資料をそろえて個別に相談

価格や取扱可否を自己判断せず、品物の名称・用途・数量・写真・資料を整理したうえで、奈良屋貴金属へご相談ください。ほかの貴金属スクラップについては、パラジウム買取の最新事情、銀スクラップ買取ガイド、ボンディングワイヤは買取できる?もあわせてご覧ください。